まもなくお盆を迎えます。私ども僧侶は既にお盆参りをさせていただいておりますが、やはり、8月13日から15日にお参りが多くなります。
お盆は本来「盂蘭盆」と呼ばれるもので「盂蘭盆経」というお経を基にした行事で、日本では仏教伝来と同時期に経典は伝来しているようですが、かなり早い段階で宮中の行事として取り入れられ行われ、確かな記録では聖武天皇が宮中の行事として取り入れたとされています。当初は宮中貴族の間で行われたものですが、室町時代の頃には京都の町人を中心として、庶民の間に広まっていたようです。そのように考えますと、我が国のお盆の歴史は1200年の長い間、脈々と続けられていたことが分かります。
ところで、昨日は長崎の原爆の日でした。また数日前の6日は広島の原爆の日でした。
15日は終戦記念日です。
また私がリアルタイムで経験した出来事で最も衝撃的だったものの一つである、日本航空123便墜落事故は1985年8月12日でした。

多くの命がなくなり、あるいは思い起こす8月にお盆という宗教行事、日本の風習があるということは、偶然を超越した、何か不思議な因縁を感じざるをえません。
今年はコロナ禍の中にあり、お盆を実家に帰省されない方も多いとは思いますが、この世に命を頂いた我々は、父母、祖父母だけでなく、数多くのご先祖の命のリレーの結果として、現在の自分があるということをもう一度思い起こし、名も知らないご先祖に感謝の気持ちを新たにしたいと思います。