「歴史から教訓を学ばぬ者は、過ちを繰り返して滅びる。」
ウィンストン・チャーチル
昨日新暦の5月2日は、旧暦の3月21日。「旧正御影供」といいまして、お大師様が入定された日でした。当山におきましても、僧侶のみにて修いたしました。
さて、現在「緊急事態宣言」が発令中ですが、新聞を見てみますと、「延長は避けられない」と専門家の意見が掲載されていました。確かにゴールデンウィーク中の人出は減少傾向にあるようですが、それでも現在の予測であれば、ゴールデンウィーク明けの感染爆発が心配されるそうです。
思えば、1年以上にわたって、私たちは「新型コロナウィルス」に振り回されています。
わが国は「島国」と言う利点を生かしながらも、次々にウィルスの生活が入り込み、完全にコントロールがきかなくなっているような感じさえします。
また、現在感染が拡大している変異株ウイルスは、マスク・ソーシャルディスタンスでも感染する。さらにこれまでは「子供には感染しにくい」と言われていましたが、子供にも感染するようですし、発症もするようです。実際に各県が公表しているデータを見ますと、小児でさえ重症化している例もあります。今はゴールデンウイークでお休みですが、学校は休業にならず今まで通りの授業が行われています。
昨年よく言われた、「オンライン授業」など一部を除いては行われる様子が全くありません。しかし、学校には1人1台のパソコンやタブレットは届いているようですが、聞くところによれば「オンライン授業を始める準備が整っていない」という事だそうです。
この1年間の出来事から何を学び、何を準備してきていたかと素人ながらに疑問に思います。

学校と言う一例を挙げましたが、政府や行政の行うところを見れば、何も学ばず何も変わっていないように思います。
近年の半知性主義と歴史をないがしろにする姿勢が現在の状況を招いているようで非常に残念に思います。
冒頭に挙げた、チャーチルの言葉と同様に「知の巨人」たちは歴史に学ぶ重要性に述べています。歴史家のE.H.カーは、
「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である」
という言葉で歴史を表しています。
過去の出来事や科学的見地に私たちは真摯に向き合い、学んでいかなければならいことを、現在なコロナ禍は私たちに示しています。

「一日、生きる事は、
一歩、進むことでありたい」
湯川秀樹
過去に学び、今日を昨日よりより良い日として生きてゆきたいものです。