エリザベス女王崩御

昨日2022年9月9日(日本時間)エリザベス女王が崩御されました。心より哀悼の意を表したいと思います。

appleホームページより

私自身はイギリスには一度だけ行ったことがあります。その際にももちろんバッキンガム宮殿を外から見学しました。

エリザベス女王と言いますと、イギリスの国家元首として、私が生まれた頃から今まで女王の座におられました。

昭和50年に来日された時のこともよく覚えております。

バッキンガム宮殿公式ページより

96歳というご高齢のご法要でいらっしゃいましたので、もちろん20代の若い頃や戴冠式の頃を存じ上げませんが、ロンドン塔を見学に行った際、戴冠式でエリザベス女王が使用した王冠を見学しまた。また戴冠式の際の映像を見学しました。

第二次世界大戦が終わり、それほど時間が経っていない時に、若く美しい女王が即位されるということはイギリス国民にとって誇らしいことであったでしょう。昨日ローリングストーンズのミック・ジャガー氏もTwitterで述べておられましたが、「若く美しい貴婦人から愛すべきおばあちゃんとなるまで」国家のため国民のため、そして世界のために捧げられたその人生に敬意を表します。

ところで先立つ8月30日にはソビエト連邦の最後の指導者であったゴルバチョフ氏が亡くなりました。ペレストロイカ、グラスノスチという改革・情報公開をすすめ、今よりはるかに第3次世界大戦や核戦争が現実味を帯びていた東西冷戦時代、世界に変革もたらしました。

「21世紀になれば世界は戦争のない平和な時代がやってくる」と本気で希望を持ってた時代でした。その中心人物がゴルバチョフ氏であったことは間違いないと思います。

今こうして世界のリーダーであった二人を送り、まさしく一つの時代が終わったことを痛感いたします。

エリザベス女王は私にとって現代史のヒロインの一人であったことは間違いありませんし、ミハイル・ゴルバチョフ氏は私にとって間違いなく現代史のヒーローの一人であったことも間違いありません。

今21世紀になってすでに21年が経過しましたが、決して世界は平和でありませんし、人々は分断されています。

世界の平和を構築するためには一人ひとりが考えそして行動しなければならない。そう思います。

1987年12月、ワシントン(AFP時事)

総本山善通寺にて授戒会

朝夕過ごしやすくなり秋の気配を感じます。一方で日中になればまだまだ30°cを超える日が多く、まさに季節の変わり目といったところでしょうか?

さて9月1日から3日まで、総本山善通寺において授戒が行われました。授戒とはまさに文字通り「戒を授けていただく」という儀式です。

僧侶となったからには僧侶としての戒めを守らなければなりません。

今年は当山より2名の修行僧が授戒に入壇いたしました。もちろん住職である私も過去に経験はありますが、数日に渡り行われるこの儀式は大変厳しく厳かであり人生の経験において大変印象深いものでした。

戒を授かった修行僧二人はこれからも厳しい修行を続けていくことになります。

思い起こせば私自身も紆余曲折を経て、歴史ある龍泉院住職として就任させていただきました。

人生とは回り道の連続です。まわり道のない人生はきっと味気なく、わずか一度小さな石ころに躓いただけで立ち上がれないほど転んでしまうこともあるかもしれません。

今こうして私自身が今の私自身としてあること、それは回り道と挫折を経験させていただいたからに他ならないのかもしれません。

インターネットが発達する以前は何事も回り道が当たり前でした。漢字を調べるにしても手間がかかったものです。現在はインターネットが発達した世の中では情報があふれかえっています。厳しいと言われる真言宗の修行内容を半ば公然と公開しているお寺もあるようです。また「いかに効率よく〇〇になるか」を指南するサイトもあると聞きます。

今回の授戒もクローズドなものですので、私は詳細をお伝えしませんし、もちろん授戒の写真を公開することもできません。それ以前に私自身は随行はしましたが今回の授戒に入っておりません。

受者だけが得ることのできる苦労と感動。そのような世界が現代の社会にまだ残っていても良いのではないか。そのように思います。