朝夕過ごしやすくなり秋の気配を感じます。一方で日中になればまだまだ30°cを超える日が多く、まさに季節の変わり目といったところでしょうか?
さて9月1日から3日まで、総本山善通寺において授戒が行われました。授戒とはまさに文字通り「戒を授けていただく」という儀式です。
僧侶となったからには僧侶としての戒めを守らなければなりません。
今年は当山より2名の修行僧が授戒に入壇いたしました。もちろん住職である私も過去に経験はありますが、数日に渡り行われるこの儀式は大変厳しく厳かであり人生の経験において大変印象深いものでした。
戒を授かった修行僧二人はこれからも厳しい修行を続けていくことになります。
思い起こせば私自身も紆余曲折を経て、歴史ある龍泉院住職として就任させていただきました。
人生とは回り道の連続です。まわり道のない人生はきっと味気なく、わずか一度小さな石ころに躓いただけで立ち上がれないほど転んでしまうこともあるかもしれません。
今こうして私自身が今の私自身としてあること、それは回り道と挫折を経験させていただいたからに他ならないのかもしれません。

インターネットが発達する以前は何事も回り道が当たり前でした。漢字を調べるにしても手間がかかったものです。現在はインターネットが発達した世の中では情報があふれかえっています。厳しいと言われる真言宗の修行内容を半ば公然と公開しているお寺もあるようです。また「いかに効率よく〇〇になるか」を指南するサイトもあると聞きます。
今回の授戒もクローズドなものですので、私は詳細をお伝えしませんし、もちろん授戒の写真を公開することもできません。それ以前に私自身は随行はしましたが今回の授戒に入っておりません。
受者だけが得ることのできる苦労と感動。そのような世界が現代の社会にまだ残っていても良いのではないか。そのように思います。