令和7年伝法灌頂
12月2日から4日にかけて総本山善通寺において、善通寺通寺派随心院流の伝法灌頂壇が数年ぶりに開壇されました。
はばかりながら当山住職である、私も今回の伝法灌頂の職衆として参加させていただくことができました。
ご存知の方もおられるかもしれませんが、弘法大師がお持ち帰りになられた密教は主に大日経を根拠とする教えと金剛頂経群を教えを根拠とする教えの二つの密教経典を一つにまとめられたもので、弘法大師のお師匠様である恵果和尚が不二とされたものです。

むろん、伝法灌頂も大日経を顕した胎蔵界と金剛頂経群を顕した金剛界の二つの伝法灌頂が行われます。
昔は日を改めて別々に灌頂壇を開いていたようですが、近年はどこの真言宗派も同じ日に時間を分けて行うことが一般的のようです。
初日の12月2日は習礼と言いまして、いわば練習と説明を兼ねたもの。そして2日目が本番である伝法灌頂。そして3日目は灌頂壇の片付けが行われ、私は2日目の伝法灌頂本番から参加させていただきました。
もちろん私自身も正式な僧侶となるにあたってはかつて伝法灌頂に受者として入壇させてもらいましたが、この度は自分が受者ではなく、授ける側の一人として参加させていただいたことは非常にありがたくまた勉強になるだけでなく、まことに名誉なことであります。
受者の方々が緊張されたように、私自身も初めての伝法灌頂の職衆を務めるとのことで大変緊張いたしました。
内供もお手伝いさせていただくことができましたが、まさしく「僧侶冥利に尽きる」とはこのことです。
伝法灌頂の詳細については、まさしく秘密の儀式であるため、ここで書くことはできません。
しかし伝法灌頂に入壇するということは真言僧にとって、ほとんどの場合は一生で一度のことで、受者の方々はそれぞれに深い想いを持たれたことでしょう。
伝法灌頂の後は、弘法大師の故事にならい総本山善通寺「いろは会館」にて直会がもたれました。
今回職衆して参加させていただいたという名誉を生涯にわたって傷つけることなく、私自身、今後さらに精進し、研鑽に努めていきたいと思います。
令和七年も押し迫ってまいりましたが、晴れて弘法大師直系の血脈を授けられた受者の皆様におかれては、この感動を忘れることなく、精進に努め、来るべき年がさらなる飛躍の年でありますようにお祈り申し上げます。

